イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
ひいぃ、見下ろしてくる切れ長の瞳が怖い! というか、何でそんなにお怒りになっているんですか!?


「ぶ、ぶちょ──」


言葉が途切れて、なんだか間抜けな単語になってしまったのは、部長がポケットに突っ込んでいた右手を出し、私の頬を両側からぶにょっと掴んだから。


「アホかお前は! そんなに酒強くないくせにガバガバ飲むんじゃねぇ。この前も失敗しただろ、学習しろ!」

「しゅみましぇ……!」


タコのような口で、もっともなお説教をする彼に必死に謝る。

そっか、私が飲んだくれたことに対して怒っていたのよね。この部長様の登場で、だいぶ酔いは冷めた気がするけれど。

タコの口のままもがいていると、ようやく手が離された。しかしホッとしたのもつかの間、今度は彼の手が肩に回され、ぐいっと抱き寄せられる。

ひゃぁぁ、今日はなんて日だ……!


「悪いな、早乙女。このバカが迷惑かけて」

「あ、いえ……」


私達を呆然と目に映す早乙女くんに、部長は私の肩を抱きながら淡々と告げた。

さっきは“嫁”って言ったくせに、今は“バカ”ですか、そうですか……。

内心しくしくと泣いていると、部長は私の肩を抱いたまま歩き出す。

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