イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「帰るぞ」
「は、はい」
触れ合う身体にドキドキしながら、私もふらつく足を踏み出した。
帰るということはもう会は終わったのだろうか。それにしては、トイレに来る人もいないけど……。
「……部長!」
ぼうっと考えていると、後ろから早乙女くんの呼び止める声が聞こえてきた。部長は足を止め、無表情で振り返る。
「何だ?」
真剣な顔で、何かを言いたげにわずかに口を開く早乙女くんを見て、ついさっきのことを思い出す。
そういえば、私の失言で彼は感づいているのかもしれないんだった。そのことを言うのかな……と、内心ハラハラしたのもつかの間。
「……お疲れ様でした」
彼の口から出たのは、そんな普通の挨拶だった。でも、表情は硬いまま。やっぱり、彼の中には疑惑が芽を出してしまったのかもしれない。
私の中にも不安が生まれるものの、「お疲れ」と言って再び歩き出す部長の方へ、意識は逸れていく。
ちらりと見上げると、まだ険しい表情をしていてびくついてしまうけれど、それとは裏腹に肩を抱く手の力は優しい。
香水なのか、柔軟剤なのか、かすかに鼻をかすめる爽やかでほんのり甘い彼の香りにも、さらに酔わされそうになった。
「は、はい」
触れ合う身体にドキドキしながら、私もふらつく足を踏み出した。
帰るということはもう会は終わったのだろうか。それにしては、トイレに来る人もいないけど……。
「……部長!」
ぼうっと考えていると、後ろから早乙女くんの呼び止める声が聞こえてきた。部長は足を止め、無表情で振り返る。
「何だ?」
真剣な顔で、何かを言いたげにわずかに口を開く早乙女くんを見て、ついさっきのことを思い出す。
そういえば、私の失言で彼は感づいているのかもしれないんだった。そのことを言うのかな……と、内心ハラハラしたのもつかの間。
「……お疲れ様でした」
彼の口から出たのは、そんな普通の挨拶だった。でも、表情は硬いまま。やっぱり、彼の中には疑惑が芽を出してしまったのかもしれない。
私の中にも不安が生まれるものの、「お疲れ」と言って再び歩き出す部長の方へ、意識は逸れていく。
ちらりと見上げると、まだ険しい表情をしていてびくついてしまうけれど、それとは裏腹に肩を抱く手の力は優しい。
香水なのか、柔軟剤なのか、かすかに鼻をかすめる爽やかでほんのり甘い彼の香りにも、さらに酔わされそうになった。