イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
私も仕事を再開させようとパソコンを立ち上げていると、カタカタとキーボードを打ちながら、中谷さんがこんなことを言う。
「でも、部長もやっぱり普通の男なのねぇ」
「え?」
首をかしげる私に、手を止めた彼女が上半身をぐいーっと近付け、小声で囁く。
「部長があんなに怒ったの久々よ。きっと一葉ちゃんのことだからでしょ。自分の奥さんが嫌な目に遭ったら、そりゃ黙ってられないわよね~」
どんどん顔がニヤけてくる彼女を見て、私はあぁ……とため息をつきたくなった。
そうだ、噂のもろもろはこの中谷さんから聞いたんだった……。
聞いたのはつい昨日、休憩が終わる直前のこと。『一葉ちゃんって、部長と結婚してるんだって?』と言われて、私は飲んでいたお茶を吹き出しそうになるくらい驚いた。
むせながら、違う違う!と首と手を振ったものの、中谷さんは『そんな照れなくていいのに~』と笑って、私の背中をぽんぽんと叩いていた。
どうやら部長と私の雰囲気が、ただの上司と部下という関係に見えないと、皆が言っているところから噂になってしまったらしい。
たしかに、異動する前からお互い知っていたし……というか、“あの夜”のこともあって少し打ち解けてはいたけど、そんなに親しいわけではないのに。
「でも、部長もやっぱり普通の男なのねぇ」
「え?」
首をかしげる私に、手を止めた彼女が上半身をぐいーっと近付け、小声で囁く。
「部長があんなに怒ったの久々よ。きっと一葉ちゃんのことだからでしょ。自分の奥さんが嫌な目に遭ったら、そりゃ黙ってられないわよね~」
どんどん顔がニヤけてくる彼女を見て、私はあぁ……とため息をつきたくなった。
そうだ、噂のもろもろはこの中谷さんから聞いたんだった……。
聞いたのはつい昨日、休憩が終わる直前のこと。『一葉ちゃんって、部長と結婚してるんだって?』と言われて、私は飲んでいたお茶を吹き出しそうになるくらい驚いた。
むせながら、違う違う!と首と手を振ったものの、中谷さんは『そんな照れなくていいのに~』と笑って、私の背中をぽんぽんと叩いていた。
どうやら部長と私の雰囲気が、ただの上司と部下という関係に見えないと、皆が言っているところから噂になってしまったらしい。
たしかに、異動する前からお互い知っていたし……というか、“あの夜”のこともあって少し打ち解けてはいたけど、そんなに親しいわけではないのに。