イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「んっ……はぁ……」


さっきよりも深く、長く。角度を変えては、しっかりと味わうように口づけられる。

絡まる舌も、髪に触れる手も、纏う香りも。彼のすべてが艶めかしく甘美で、全身が溶けてしまいそう。


「一葉……」


一度離された唇は私の耳に移動して、熱い吐息とともに名前を囁くと、今度は首筋をなぞった。

思わず色っぽい声が漏れ、ぞくぞくとした快感が背筋を駆け登る。力が入らなくなり、身体が少しよろめいた。

すぐに零士さんの逞しい腕で腰を抱かれ、そのまま後ろの壁に背中を押し付けられる。それでもキスの嵐は止む気配がない。


とろけるような甘さの中で、獣のような荒々しさをかいま見せる彼に、私はいっぱいいっぱいになりつつ驚いていた。

こんなに、余裕がなさそうに求めてくる姿を目の当たりにするのは、もちろん初めてだ。

決して乱暴ではなく、けれど私の奥に潜む熱を引っ張り出すような、ぐいぐいと迫る感じ。もう、何も考えられなくさせられる。


「ん、ぁ、零士さ……っ」


彼の手がコートの隙間に入り込み、ニットの上から胸に触れられ、キスの合間に上ずった声がこぼれた。

そんな私の反応を楽しむように、零士さんは耳元で囁く。


「……ベッドでの経験値も上げとくか?」

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