イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
この状況でその言葉、シャレにならないんですけど! まさか、本当にこのまま……?
熱に浮された脳は戸惑いまくるものの、拒むことはできない。だって、あなたが好きだから。
好きな人とこんなふうに触れ合えるなんて、夢みたいなこと。もっともっと触れたいと思う。
今だけはあなたを手放したくない。たとえ、お互いの気持ちが繋がっていなくても──。
選択肢は決まっているけれど、緊張がピークでイエスともノーとも答えられず。静かで暗い玄関に、ただただふたりの吐息を混じり合わせていた、その時。
──ヴー、ヴー、とスマホのバイブが鳴る音がどこからか聞こえてきた。
理性を取り戻させるその音で私達は唇を離し、熱を持ったままの瞳で視線を絡ませる。どうやら零士さんのコートのポケットの中で震えているようだ。
スマホを取り出そうとしない彼に、私はなんとか平静を装って言う。
「で、出なくていいんですか?」
「……人がこういうコトしてるだろう時間にかけてくる方が非常識だ」
なんて理不尽な!
すっかり不機嫌に戻ってしまわれた部長様は、はぁ……と深いため息を吐き出して、私の後ろの壁についていた手を離した。
なんだかホッとしたような、少しがっかりしたような、複雑な気分。
熱に浮された脳は戸惑いまくるものの、拒むことはできない。だって、あなたが好きだから。
好きな人とこんなふうに触れ合えるなんて、夢みたいなこと。もっともっと触れたいと思う。
今だけはあなたを手放したくない。たとえ、お互いの気持ちが繋がっていなくても──。
選択肢は決まっているけれど、緊張がピークでイエスともノーとも答えられず。静かで暗い玄関に、ただただふたりの吐息を混じり合わせていた、その時。
──ヴー、ヴー、とスマホのバイブが鳴る音がどこからか聞こえてきた。
理性を取り戻させるその音で私達は唇を離し、熱を持ったままの瞳で視線を絡ませる。どうやら零士さんのコートのポケットの中で震えているようだ。
スマホを取り出そうとしない彼に、私はなんとか平静を装って言う。
「で、出なくていいんですか?」
「……人がこういうコトしてるだろう時間にかけてくる方が非常識だ」
なんて理不尽な!
すっかり不機嫌に戻ってしまわれた部長様は、はぁ……と深いため息を吐き出して、私の後ろの壁についていた手を離した。
なんだかホッとしたような、少しがっかりしたような、複雑な気分。