イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「……前から少し怪しいなとは思ってたんだ。まぁ、ただの勘だけど」
動くこともできないでいる私の横にあるコピー機の上に、拾った用紙を置いた早乙女くんは、眉を八の字にして私の顔を覗き込む。
「もし嘘をついてるなら、理由を教えてよ。部長に何か弱みを握られてるとか?」
それは断じて違うとはっきり言える。私は慌てて首を横に振った。
「そんなんじゃないよ! 私は本当に部長が好きで、彼も──」
“私のことを想ってくれていて、結婚している”
……なんて言葉は、やっぱり口に出せなかった。
嘘をついたって虚しいだけ。何のために嘘をつくのかも、冷静でない今の私にはわからなくなっている。
再び口をつぐんで俯くと、早乙女くんは私の両腕を優しく掴み、正面から向き合わせる。
「一葉ちゃん、すごく辛そうな顔してるってわかってる? 見ていられないよ」
心配そうな声につられてゆっくり顔を上げると、彼は真剣な表情で私を見据え、はっきりとこう告げた。
「好きなんだ、君が」
一瞬、呼吸が止まる。
……好き、って、まさか本当に?
彼の表情を見ている限り、私をからかっているようには見えないし、冗談でそんなことを言う人でもないと思う。それでもにわかには信じられず、戸惑って目をしばたたかせるだけの私。
動くこともできないでいる私の横にあるコピー機の上に、拾った用紙を置いた早乙女くんは、眉を八の字にして私の顔を覗き込む。
「もし嘘をついてるなら、理由を教えてよ。部長に何か弱みを握られてるとか?」
それは断じて違うとはっきり言える。私は慌てて首を横に振った。
「そんなんじゃないよ! 私は本当に部長が好きで、彼も──」
“私のことを想ってくれていて、結婚している”
……なんて言葉は、やっぱり口に出せなかった。
嘘をついたって虚しいだけ。何のために嘘をつくのかも、冷静でない今の私にはわからなくなっている。
再び口をつぐんで俯くと、早乙女くんは私の両腕を優しく掴み、正面から向き合わせる。
「一葉ちゃん、すごく辛そうな顔してるってわかってる? 見ていられないよ」
心配そうな声につられてゆっくり顔を上げると、彼は真剣な表情で私を見据え、はっきりとこう告げた。
「好きなんだ、君が」
一瞬、呼吸が止まる。
……好き、って、まさか本当に?
彼の表情を見ている限り、私をからかっているようには見えないし、冗談でそんなことを言う人でもないと思う。それでもにわかには信じられず、戸惑って目をしばたたかせるだけの私。