イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「だから、私達のこの関係も、終わりに──」
決意して伝えようとしたものの、最後まで声に出すことはできなかった。
ふわりと私達の間の空気が動いたと思った瞬間──彼に、唇を塞がれてしまったから。
突然の、誰が来るかもわからない社内での、キス。
ここでまたされるとは当然思いもしなくて、驚きと甘い感覚で、くらりと目眩がした。
この間の、激しく求める情熱的なキスとは違い、なだめるように優しく、けれどしっかりと触れた唇は、数秒で離れていく。
部長の片手はドアを押さえたまま、もう片方の手は、放心状態の私の髪をとかすように差し込まれている。
何で……どうしてそんなに優しく触れるの?
潤む瞳で見つめていると、彼は比較的穏やかな表情で静かに言う。
「お前の気持ちはわかってる。俺も、もう嘘をつく気はねぇよ」
偽装夫婦をやめたいという私の意志を受け入れたような言葉を聞いて、ピンと来た。
もしかして今のは、お別れを意味するキスなのではないかと。
「これで終わり、ってこと、ですか……?」
震える声で確認すると、部長は「あぁ」と頷いた。自分で望んだことなのに、胸がキリッと痛む。
瞳のふちに溜まった涙が溢れそうになり、泣いたらダメだと、拳を握ってぐっと堪えた。
決意して伝えようとしたものの、最後まで声に出すことはできなかった。
ふわりと私達の間の空気が動いたと思った瞬間──彼に、唇を塞がれてしまったから。
突然の、誰が来るかもわからない社内での、キス。
ここでまたされるとは当然思いもしなくて、驚きと甘い感覚で、くらりと目眩がした。
この間の、激しく求める情熱的なキスとは違い、なだめるように優しく、けれどしっかりと触れた唇は、数秒で離れていく。
部長の片手はドアを押さえたまま、もう片方の手は、放心状態の私の髪をとかすように差し込まれている。
何で……どうしてそんなに優しく触れるの?
潤む瞳で見つめていると、彼は比較的穏やかな表情で静かに言う。
「お前の気持ちはわかってる。俺も、もう嘘をつく気はねぇよ」
偽装夫婦をやめたいという私の意志を受け入れたような言葉を聞いて、ピンと来た。
もしかして今のは、お別れを意味するキスなのではないかと。
「これで終わり、ってこと、ですか……?」
震える声で確認すると、部長は「あぁ」と頷いた。自分で望んだことなのに、胸がキリッと痛む。
瞳のふちに溜まった涙が溢れそうになり、泣いたらダメだと、拳を握ってぐっと堪えた。