イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
そういえば、佐原部長も『ちゃんと受理証明書見せるんだぞ』と言っていたっけ。まさか、それがないことを知られてしまったなんて……!
「重役だから提出しなくてもオッケーとか?」
「そんなことないでしょ」
あっけらかんとした中谷さんの声を一蹴するように、丸山さんのトゲのある口調が響く。
「前からおかしいと思ってたのよねぇ。指輪もしてないし、結婚式も新婚旅行も未定って話じゃない」
「それはふたりの事情があるから、仕方ないんじゃないの? 最近はそういうとこにお金かけないカップルも多いって聞くし」
中谷さんはやっぱり信じられないようで、冷静にフォローしてくれる。しかし、丸山さんはやっぱり納得いかない様子。
「でも相手は部長よ? 普通は式くらい挙げるのが礼儀だと思うんだけど」
丸山さんの厳しい声が聞こえたところで、階段から社員が上がってきたため、私はすぐにドアから離れた。ドクドクと鳴る心臓を押さえながら、オフィスに戻る。
どうしよう、このままじゃマズいことに……! 丸山さんはわりと口が軽い人だし、噂はすぐに広まってしまいそうな気がする。
デスクに座って、落ち着かない心を持て余していると、しばらくして中谷さん達が戻ってきた。
「重役だから提出しなくてもオッケーとか?」
「そんなことないでしょ」
あっけらかんとした中谷さんの声を一蹴するように、丸山さんのトゲのある口調が響く。
「前からおかしいと思ってたのよねぇ。指輪もしてないし、結婚式も新婚旅行も未定って話じゃない」
「それはふたりの事情があるから、仕方ないんじゃないの? 最近はそういうとこにお金かけないカップルも多いって聞くし」
中谷さんはやっぱり信じられないようで、冷静にフォローしてくれる。しかし、丸山さんはやっぱり納得いかない様子。
「でも相手は部長よ? 普通は式くらい挙げるのが礼儀だと思うんだけど」
丸山さんの厳しい声が聞こえたところで、階段から社員が上がってきたため、私はすぐにドアから離れた。ドクドクと鳴る心臓を押さえながら、オフィスに戻る。
どうしよう、このままじゃマズいことに……! 丸山さんはわりと口が軽い人だし、噂はすぐに広まってしまいそうな気がする。
デスクに座って、落ち着かない心を持て余していると、しばらくして中谷さん達が戻ってきた。