イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
微妙な顔をして、今言うべきかと迷っていると、仕事の話は終わったらしい本庄さんの、こんな声が聞こえてくる。
「あと、もうひとつ質問。今週末空いてる?」
「空いててもお前のためには使いたくない」
「ひっど!」
素っ気なく返した部長に、頬を膨らませる本庄さん。きっとこういうやり取りは、今日に限ったことではないのだろう。
あんなに邪険にされたら私なんてすぐ心折れそうだけど、すごいな彼女……。
妙に感心しながら、そろそろ本当に仕事しないと、とパソコンに向き直る。中谷さんには後で言おう。
気持ちを切り替えて数字を入力し始めると、席を立った部長が、私の前のデスクの後ろを通るのが目に入った。
オフィスの壁に並ぶ棚からファイルを取り出す部長に、まだ本庄さんがくっついている。
「相変わらず冷たいんだから。いいじゃない、独り身の男なんだからたまには付き合ってくれても」
口を尖らせる本庄さんに背を向け、自分のデスクに戻ろうとした部長と、ふいに目が合ってしまった。慌てて目を逸らすけれど、足を止めた彼は私を見たままでいるような気がする。
何で?と不思議に思ったのもつかの間、すぐにまた歩き始めた部長は、なぜかこちらに向かってきた。
「あと、もうひとつ質問。今週末空いてる?」
「空いててもお前のためには使いたくない」
「ひっど!」
素っ気なく返した部長に、頬を膨らませる本庄さん。きっとこういうやり取りは、今日に限ったことではないのだろう。
あんなに邪険にされたら私なんてすぐ心折れそうだけど、すごいな彼女……。
妙に感心しながら、そろそろ本当に仕事しないと、とパソコンに向き直る。中谷さんには後で言おう。
気持ちを切り替えて数字を入力し始めると、席を立った部長が、私の前のデスクの後ろを通るのが目に入った。
オフィスの壁に並ぶ棚からファイルを取り出す部長に、まだ本庄さんがくっついている。
「相変わらず冷たいんだから。いいじゃない、独り身の男なんだからたまには付き合ってくれても」
口を尖らせる本庄さんに背を向け、自分のデスクに戻ろうとした部長と、ふいに目が合ってしまった。慌てて目を逸らすけれど、足を止めた彼は私を見たままでいるような気がする。
何で?と不思議に思ったのもつかの間、すぐにまた歩き始めた部長は、なぜかこちらに向かってきた。