イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
受けることになるだろう罰を考えて、何度もため息を吐きながら、仕事を終えた私はタクシーに揺られていた。
部長は今日何時頃帰ってくるだろう。六時半を過ぎているけれど、まだいないかもしれないな。
彼も電車に乗っている最中かもしれないし、迷惑になりそうで電話はできない。一応伝言をメモに書いておいたから、いなかったらポストに入れておこう。
イルミネーションが輝く街を通り過ぎ、もう何度かお邪魔している部長のマンションに到着した。ひとりで来たのは初めてだから、なんだか少し緊張する。
夜空にそびえるそれを見上げ、彼がいたとしてもこれを渡すだけだし……と胸を落ち着かせて、エントランスに入った。
すると、オートロックのインターホンの前に、紙袋を手に提げた長い黒髪の女性が立っていて、私は足を止める。
ここの住人かと思ったのもつかの間、こちらを向いて外へと歩き出そうとする彼女の顔が見え、心臓が止まりそうになった。
目鼻立ちがはっきりした、誰が見ても美人だと言うであろうその人は、以前会社の駐車場で見た──部長の、元カノだったから。
呆然と立ちすくむ私と目が合った彼女は、わずかに微笑み、軽く会釈をして通り過ぎようとする。
ふわりと香る花の香りが鼻をかすめ、こちらも会釈を返すどころか、うまく息ができない。
部長は今日何時頃帰ってくるだろう。六時半を過ぎているけれど、まだいないかもしれないな。
彼も電車に乗っている最中かもしれないし、迷惑になりそうで電話はできない。一応伝言をメモに書いておいたから、いなかったらポストに入れておこう。
イルミネーションが輝く街を通り過ぎ、もう何度かお邪魔している部長のマンションに到着した。ひとりで来たのは初めてだから、なんだか少し緊張する。
夜空にそびえるそれを見上げ、彼がいたとしてもこれを渡すだけだし……と胸を落ち着かせて、エントランスに入った。
すると、オートロックのインターホンの前に、紙袋を手に提げた長い黒髪の女性が立っていて、私は足を止める。
ここの住人かと思ったのもつかの間、こちらを向いて外へと歩き出そうとする彼女の顔が見え、心臓が止まりそうになった。
目鼻立ちがはっきりした、誰が見ても美人だと言うであろうその人は、以前会社の駐車場で見た──部長の、元カノだったから。
呆然と立ちすくむ私と目が合った彼女は、わずかに微笑み、軽く会釈をして通り過ぎようとする。
ふわりと香る花の香りが鼻をかすめ、こちらも会釈を返すどころか、うまく息ができない。