イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
昔から兄弟仲はいい方だったが、思春期には勝手に兄と比べて劣等感を抱いたこともある。
しかし、彼より優れた何かを自分の中に見付けることで、それは徐々に消えていくことを学んだ。
俺に誇れるもの、そのひとつが桐絵の存在だった。彼女がいることで、当時恋人がいなかった兄貴より、優位に立っているような気がして。
……もしかしたら。彼女を手放したくないのは、相手が兄だから余計にヤケになっているのかもしれない。
何でも持っている兄に女まで渡したくはないという、桐絵に対する愛情以外の黒い思惑が、心に根を張っているんじゃないだろうか。
対抗心なんて、とっくに跡形もなく消えたと思っていたのに……。
俺が桐絵を譲りたくないのはきっと、くだらない意地と、プライドのせい。そんなことで彼女を縛っているのは可哀相だ。
俺も、別に兄貴に勝ちたいと思っているわけじゃない。欲しいものすべてを手に入れなくたって、劣っているだなんてことは決してないのだから。
“完璧な奴なんていない”
穏やかに笑いながら口にされた佐原さんの一言で、俺はやっとそのことに気付いたのだった。
落ち着いて自分の気持ちと向き合うと、現状を受け入れることができてくる。
もう一度ふたりでしっかり話し合い、桐絵の想いを聞くと、彼女は俺の目を見てはっきりと告げた。
しかし、彼より優れた何かを自分の中に見付けることで、それは徐々に消えていくことを学んだ。
俺に誇れるもの、そのひとつが桐絵の存在だった。彼女がいることで、当時恋人がいなかった兄貴より、優位に立っているような気がして。
……もしかしたら。彼女を手放したくないのは、相手が兄だから余計にヤケになっているのかもしれない。
何でも持っている兄に女まで渡したくはないという、桐絵に対する愛情以外の黒い思惑が、心に根を張っているんじゃないだろうか。
対抗心なんて、とっくに跡形もなく消えたと思っていたのに……。
俺が桐絵を譲りたくないのはきっと、くだらない意地と、プライドのせい。そんなことで彼女を縛っているのは可哀相だ。
俺も、別に兄貴に勝ちたいと思っているわけじゃない。欲しいものすべてを手に入れなくたって、劣っているだなんてことは決してないのだから。
“完璧な奴なんていない”
穏やかに笑いながら口にされた佐原さんの一言で、俺はやっとそのことに気付いたのだった。
落ち着いて自分の気持ちと向き合うと、現状を受け入れることができてくる。
もう一度ふたりでしっかり話し合い、桐絵の想いを聞くと、彼女は俺の目を見てはっきりと告げた。