イケメン部長と（仮）新婚ライフ!?
おめでたい報告で、ぱっと表情を明るくする私に、桐絵さんも嬉しそうに「ありがとう」と言った。

けれど、彼女は少しだけ苦笑を混じらせる。


「本当に予想外だったからすっごく動揺して、ひとりじゃいてもたってもいられなくて。遥一も仕事でいなかったし、友達も皆家が離れてるし、零士くんなら……って、無意識に彼を呼んでた」


私はもちろん妊娠経験がないからわからないけれど、計画的じゃなければたしかに動揺するだろう。

そこで部長を呼ぶということは、かなり信頼している証拠だ。


「最近、零士くんは私達の相談に乗ってくれてたから、その延長で甘えちゃったの。でも、もう絶対こんなことはしないから！　約束するわ」


私に気を遣ってか、桐絵さんは本当に申し訳なさそうに眉を下げて訴えた。何も悪いことはしていないのに。

心細い時に、気心知れた人に縋りたくなる彼女の気持ちもわかる。それに……。


「桐絵さんにとっても、部長にとっても、ふたりはもう本当の家族なんですね」


穏やかな声色で言うと、桐絵さんは私の言葉が意外だったようにキョトンとした。

そんな彼女に微笑みかけて、さらに思ったことを率直に口にする。

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