イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「こんなふうに愛されたいとか、逆にいじめられたいとか、何か求めることがあんだろ?」
続けて問い掛けられ、彼の腕をようやく離した私は眉をひそめる。
「何ですか、急に。ていうか、いじめられたいなんて思う人はいないような……」
「いいから言ってみろ」
うっ、この威圧感を与える声色と鋭い眼差し……。彼は普通に言っているだけかもしれないけど、なぜ有無を言えなくさせられてしまうんだろう。
渋々、自分が夢見ている旦那様との生活を思い浮かべる。と言っても、ずっと想像していたことだからすぐに出てくる。
「やっぱり溺愛されたいですね。私だけに甘い笑顔を見せてほしいし、“行ってきますのチュー”もしたいし、あと毎日私がネクタイを結んであげたり……」
「それでいいじゃねーか」
ペラペラと喋っていた口をつぐんで部長を見やると、彼は不敵に口角を上げて言う。
「今みたいに、周りから何か聞かれたら願望をそのまま言っとけばいい。お前の理想通りの結婚生活を作り上げちまえばいいってことだよ」
私の、理想通り……。
なるほど、部長とのなれそめや暮らしも、勝手に作ってしまっていいのね。それならだいたいのことは聞かれても答えられるかもしれない。嘘にまみれることになるけど……。
おまけに新婚気分を味わえそう。まるで、模擬結婚生活を楽しむゲームみたいだ。……ただ、嘘まみれだけど。
続けて問い掛けられ、彼の腕をようやく離した私は眉をひそめる。
「何ですか、急に。ていうか、いじめられたいなんて思う人はいないような……」
「いいから言ってみろ」
うっ、この威圧感を与える声色と鋭い眼差し……。彼は普通に言っているだけかもしれないけど、なぜ有無を言えなくさせられてしまうんだろう。
渋々、自分が夢見ている旦那様との生活を思い浮かべる。と言っても、ずっと想像していたことだからすぐに出てくる。
「やっぱり溺愛されたいですね。私だけに甘い笑顔を見せてほしいし、“行ってきますのチュー”もしたいし、あと毎日私がネクタイを結んであげたり……」
「それでいいじゃねーか」
ペラペラと喋っていた口をつぐんで部長を見やると、彼は不敵に口角を上げて言う。
「今みたいに、周りから何か聞かれたら願望をそのまま言っとけばいい。お前の理想通りの結婚生活を作り上げちまえばいいってことだよ」
私の、理想通り……。
なるほど、部長とのなれそめや暮らしも、勝手に作ってしまっていいのね。それならだいたいのことは聞かれても答えられるかもしれない。嘘にまみれることになるけど……。
おまけに新婚気分を味わえそう。まるで、模擬結婚生活を楽しむゲームみたいだ。……ただ、嘘まみれだけど。