イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
零士さんの部屋はもう慣れているけれど、寝室にはお邪魔したことがない。

街の明かりが見渡せる大きな窓、その脇にある心地良さそうなひとつのベッド。それを目に映した私の緊張はピークに達する。


「……一葉」


カチコチに固まる私の後ろからふわりと抱きしめられて、ビクッと身体が震えた。零士さんは苦笑を漏らして、髪に顔を埋める。


「そんなに怖がるな。相手の身体を気遣わないようなセックスはするつもりないから」


ひゃー、なんか恥ずかしい!

でもさすがは大人の男。そんな余裕のある発言に、ますます惚れてしまう。

背中に彼の体温を感じながら、私はひとつ深呼吸をして、気持ちを落ち着かせてから言う。


「……怖くはないです。零士さんが優しいのは知ってるから」


ゆっくり後ろを向けば、少しはにかんだ彼がいて、私も自然と笑みがこぼれる。そのまま唇を寄せ合い、きつく抱きしめ合った。


次第に濃厚になっていくキスに頭をクラクラさせながら、服を脱がされていく。優しくベッドに倒され、肌を隠す下着すらも取り払われて、もう死にそうなほど恥ずかしい。

けれど、至るところに落とされるキスと、身体を滑る手に初めて与えられる快感には抗えない。

彼は愛おしそうな眼差しと、時々意地悪な目線を向け、私を翻弄して甘い鳴き声を上げさせ続けた。

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