イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
これはまさしく電撃結婚
めでたく想いが通じ合った、夢のような週末はあっという間に過ぎ、週明けの月曜日。
当然関係が変わった零士さんのことは気になってしまうけれど、ドキドキしながらもいつも通り業務をこなした。
そして火曜日、恐れていた事態が起こることになる。
「一葉ちゃん、ちょっと」
出社した途端、中谷さんに腕を引かれて、またオフィスの外に連れ出されてしまった。
給湯室の前に立ち、私はキョトンとして、なんだか深刻そうな顔をする彼女を見つめる。
「どうしたんですか?」
「営業部の中で噂になってるのよ。一葉ちゃん達が……本当は結婚してないんじゃないか、って」
言いにくそうにしながら口にされた言葉に、私は「えっ!?」と声を上げて目を丸くした。
うそ……。給湯室での話を聞いたのは金曜だったから、昨日の間に広まっちゃったってこと!? 丸山さーん!
私がふたりの会話を聞いていたことを知らない中谷さんは、困ったように眉を下げて軽く説明してくれる。
「丸山さんが言い出したみたい、婚姻届受理証明書を出してないらしいって。何かの間違いよね?」
ここは“間違いです”と言っておかなければ、と口を開きかけた、その時。