イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
零士さんとの話を終えてデスクに戻ろうとした時、早乙女くんと視線がかち合った。
彼も噂を聞いたのだろう。でも、疑うというより心配そうな目で見ているように思えた。
居心地の悪い時間を過ごしていると、午後ニ時を回った頃、オフィスのドアが開かれてある人物が姿を現す。
ひょろりとした体型で、少し額の面積が広く、笑うと目がなくなるような愛嬌のあるその人は、わが波月支店の支店長様だ。
彼がここに来ることはあまり多くない。見るからに優しそうなおじさまだけれど、やっぱり支店長がお目見えとなると皆の背筋も伸びる。
皆と挨拶を交わしながら、支店長が向かうのは零士さんのデスク。彼も立ち上がって会釈した。
「支店長、お疲れ様です」
「お疲れ様。坂本くん、来年立ち上げる支店の件なんだが……」
用件を話し始めるふたりを目の端に映しつつ、事務作業を再開すると、しばらくして仕事とは関係なさそうな言葉が聞こえてきた。
「それはそうと……君達、まだ私に言ってないことがあるんじゃないか?」
──しん、とオフィス内が一瞬静寂に包まれ、皆が反応しているのがわかる。
そして、ギクリとする私。だって、支店長が明らかに私を見ているから。
まさか……このタイミングで、偽装夫婦なんてふざけたことをしていたことがバレてしまったとか!?
彼も噂を聞いたのだろう。でも、疑うというより心配そうな目で見ているように思えた。
居心地の悪い時間を過ごしていると、午後ニ時を回った頃、オフィスのドアが開かれてある人物が姿を現す。
ひょろりとした体型で、少し額の面積が広く、笑うと目がなくなるような愛嬌のあるその人は、わが波月支店の支店長様だ。
彼がここに来ることはあまり多くない。見るからに優しそうなおじさまだけれど、やっぱり支店長がお目見えとなると皆の背筋も伸びる。
皆と挨拶を交わしながら、支店長が向かうのは零士さんのデスク。彼も立ち上がって会釈した。
「支店長、お疲れ様です」
「お疲れ様。坂本くん、来年立ち上げる支店の件なんだが……」
用件を話し始めるふたりを目の端に映しつつ、事務作業を再開すると、しばらくして仕事とは関係なさそうな言葉が聞こえてきた。
「それはそうと……君達、まだ私に言ってないことがあるんじゃないか?」
──しん、とオフィス内が一瞬静寂に包まれ、皆が反応しているのがわかる。
そして、ギクリとする私。だって、支店長が明らかに私を見ているから。
まさか……このタイミングで、偽装夫婦なんてふざけたことをしていたことがバレてしまったとか!?