イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
ふみかの言うことはもっともだ。相手の気を悪くさせるだけなら、打ち明ける必要はないだろう。少なくとも今は。


「……そうかもね。今までの皆の気遣いとか、全部無下にしちゃうもんね」


迷いがなくなり明るい表情で言うと、ふみかも「そうだよー」と言ってにこりと笑った。


「それにしても、部長がムコ殿だとはさすがに皆気付かないよねぇ。なんか似合わなさすぎるし。でも、婿になってまで一葉と一緒になりたかったってことだもんね~! どうよ、本物の新婚生活は!?」


急にテンションを上げ、興味津々で食いついてくる彼女。ちょっぴり気恥ずかしくなった私は、はにかみながら答える。


「や、まだ一緒に住んでないからね……正直結婚した実感はあんまり」

「そっかぁ。もう実家に入ることになるの?」


シャンディ・ガフを一口飲み、「ううん」と首を振る。


「親も“まだまだふたりの生活を楽しんでいいよ”って言ってくれてるし、しばらくは零士さんのマンションで暮らすつもり。年末の休みで徐々にお引っ越ししようかなって」

「へぇ~よかったね!」


ぱぁっと表情を明るくするふみか同様、私もホッとしている。やっぱりいきなり同居は抵抗があるから。

いずれはそうなるとしても、まだ今は零士さんと新婚生活を満喫したい。

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