イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
すると、私達が座るテーブル席に、オーダーしたチーズフォンデュが運ばれてきた。

ふみかはさっそく四角くカットされたパンを串に刺し、とろりとチーズを絡ませる。そして、何気ない調子でこう言った。


「これであの癒し系王子も本当に失恋しちゃったわけだ。本庄さんとの合コンに連れていってあげようかな」


癒し系王子って早乙女くんのことだよね。彼にとっては本当に申し訳ないけど、私なんかに好意を持ってくれたことは嬉しかった。

そういえば、今ふみかが言った本庄さんとの合コンはどうなったのだろう。

それを聞こうとした時、カランコロンとドアベルが鳴り、店内に入ってきた人にお互いなんとなく目を向ける。

その瞬間、私達は目を見開いた。やってきたのは、今まさに話していた早乙女くんだったから。


「あ! 噂をすれば……って、えぇ!?」


来たのは早乙女くんだけではなく、彼の後ろから姿を現した人を見て、ふみかがすっとんきょうな声を上げた。私も同じく、「えっ!?」と叫んで二度見する。

巻き髪を揺らすその人は、まさかの本庄さん!

目を点にする私達に気付いて、スーツ姿の早乙女くんがぱっと笑顔を見せる。


「あれ、ふたりも来てたんだ」

「な、何で早乙女くんと本庄さんが!?」


ふたりを交互に指差すふみかに、激しく頷く私。

< 308 / 320 >

この作品をシェア

pagetop