イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
自分が幸せになることで、誰かの気持ちが報われることもあるのだ。零士さんと桐絵さんのように。

今私にできるのは、零士さんと幸せな家庭を築くこと。

それが、偽装夫婦なんてことをしてしまっていた罪滅ぼしになるんじゃないかって、勝手だけど思うのだ。


早乙女くんに笑顔を向けて力強く「もちろん」と答えると、彼も微笑んで頷いてくれた。


それからは、本庄さんとも話をして楽しい時間を過ごし、気が付けば午後九時を回っていた。

帰りは零士さんがユウヤケまで迎えに来てくれたのだけど、総出で見送りされたものだから、さぁ大変。

『何で早乙女がいるんだ』と不機嫌になられてしまった旦那様に、事情を説明したものの……。



「ん……っ、え!?」


彼の部屋のベッドで、裸のまま微睡(まどろ)んでいた私は、再び身体の中心部に指が触れるのを感じて、ぱちっと目を開いた。

まさか、またする気!?

いつの間にか私を組み敷いていた零士さんは、意地悪な笑みを浮かべて私の耳を甘噛みする。


「今夜は寝かせないっつったろ」


ぞくりとする囁きで、治まったばかりの熱が戻ってくる。

何でそんなに元気なんですかー!


……と、文句を言いたくなるのはただの照れ隠し。求め合えることが、本当は嬉しくてたまらないんだ。

いつまでも、ずっとこうしていられますように──と、彼の愛を感じながら祈った。




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