イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
本番はもっと時間が掛かるんだろうな……と、ソファーに座ってぼんやり考えていたのだが。「お待たせしました」という声とともにカーテンが開けられた瞬間、思わずドキリとさせられた。


華奢な肩を出し、細いウエストが強調された純白のドレス姿は、どこかの国の神聖な姫のよう。

これはヤバい……想像以上に可愛いすぎる。

恥ずかしそうに俯き気味の一葉は、上目遣いで俺を見つめる。


「どう、ですか……?」


ぽかんとする俺は、そのマヌケだろう顔のままぽつりと呟く。


「……まいった」

「へ?」


よく聞こえなかったのか、小首をかしげる彼女に、プランナーの女性はニコニコしながら言う。


「小物も付けてみましょうか。ティアラとネックレスをお持ちしますね」


そして俺に目線を移し、「どうぞお写真などお撮りになってお待ちください」と言うと、フィッティングルームを出ていった。

一葉を見つめ続ける俺は、カメラも出さず、不思議そうにする彼女にゆっくりと近付く。


「零士さん?」

「驚いた……すっげぇ綺麗。本物のお姫様みたいだ」


歯が浮くようなセリフがすんなりと出てくる。そのくらい感動してんのかな、俺。

一葉は目をぱちぱちと瞬かせ、すぐに赤くなって肩をすくめる。そんな姿もいじらしくて、俺は思わず彼女の腰を引き寄せた。

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