イケメン部長と（仮）新婚ライフ!?

「自分でもびっくりだけど、お互いすぐに自然と結婚を意識してたんだよね。でも、うち女ばっかりだから『婿をもらえ！』なんて言われててさ」

「澤田くん、ムコ殿になるの!?」


香奈子の言葉を聞いて、私は真っ先にそう言っていた。反応せずにはいられないよ！

一瞬目を丸くした彼女だけど、あはっと笑って、首を横に振った。


「ううん、結局その話はなくなった。けど……」

「けど？」


続きを促して香奈子の顔を覗き込むと、彼女は恥ずかしそうに目を伏せる。


「アイツは、あたしと一生一緒にいられるなら婿になっても構わない、とは言ってた……」


ぼそっと呟かれたそれに、私達の顔の締まりがなくなっていく。

「ごちそうさま～」と冷やかされて、照れまくる香奈子はすごく可愛い。私も素直に嬉しいけれど、少し複雑な気持ちでもあった。


澤田くん、私がお婿さんの話した時はドン引きだったくせに。まぁ、付き合ってたわけじゃないから当然か。

相手が香奈子だから、本気で好きな人だから、それでもいいと思えるんだろう。

あーいいなぁ……なんてうらやましい！　そこまで自分のことを愛してくれる人に、私も出逢ってみたいわよ。