イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
合流した私達は、会社から徒歩十分の駅前にある、洋風居酒屋にやってきた。
オレンジ色の照明に照らされる、ほの暗いウッド調の店内は、小洒落ているけどアットホームな雰囲気が漂う。カウンター席には、バーのようにお酒のビンがずらりと並んでいる。その手前のテーブル席に座った。
人並みに飲める私達は、まずビールとチーズ揚げを頼んで乾杯した。
「あー、仕事終わりのビールって最高!」
上唇に白いお髭をつけて、ドンッとグラスを置くふみかは、可愛いけどおじさんみたいで笑える。
そんな彼女は、くたびれたように首を回しながら、チーズ揚げに箸を伸ばした。
「もう一葉が抜けてから大変だよ~。来週、中途社員の面接するらしいけどさ」
「私の異動、急だったもんね」
私も春巻の皮に包まれたそれをカリカリとかじって頷いた。
営業事務の女性が突然仕事を辞めることになり、求人を出していて何度か面接も行ったらしいのだけど。坂本部長の御眼鏡に適う人がいなかったらしく、採用までに至らなかったのだとか。
その代わりに、目をつけられたのがなぜか私。
購買部に部長が来たかと思ったら、彼は私が座る椅子に手を掛け、くるりと自分の方を向かせて、突然こう言い放ったのだ。
『坂本 一葉、俺んとこに来い』
……と。麗しい微笑み付きで。
オレンジ色の照明に照らされる、ほの暗いウッド調の店内は、小洒落ているけどアットホームな雰囲気が漂う。カウンター席には、バーのようにお酒のビンがずらりと並んでいる。その手前のテーブル席に座った。
人並みに飲める私達は、まずビールとチーズ揚げを頼んで乾杯した。
「あー、仕事終わりのビールって最高!」
上唇に白いお髭をつけて、ドンッとグラスを置くふみかは、可愛いけどおじさんみたいで笑える。
そんな彼女は、くたびれたように首を回しながら、チーズ揚げに箸を伸ばした。
「もう一葉が抜けてから大変だよ~。来週、中途社員の面接するらしいけどさ」
「私の異動、急だったもんね」
私も春巻の皮に包まれたそれをカリカリとかじって頷いた。
営業事務の女性が突然仕事を辞めることになり、求人を出していて何度か面接も行ったらしいのだけど。坂本部長の御眼鏡に適う人がいなかったらしく、採用までに至らなかったのだとか。
その代わりに、目をつけられたのがなぜか私。
購買部に部長が来たかと思ったら、彼は私が座る椅子に手を掛け、くるりと自分の方を向かせて、突然こう言い放ったのだ。
『坂本 一葉、俺んとこに来い』
……と。麗しい微笑み付きで。