イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
“あんなこと”というのはきっと、昼間部長も言っていた“あの夜”のこと。

バーで酔っ払って逆プロポーズしてしまったこと、ふみかには全部話していたんだった……。


「で、で、何があったの?」


待ちきれない!と言うように、ふみかはメニューそっちのけでテーブルに身を乗り出してくる。私も話したいとは思っていたけど、どこから話せばいいのやら。


「えっと……営業部の中では、私達の苗字が一緒だから夫婦じゃないかって噂になってたらしくてね」

「えぇー苗字だけで!? 中学生かい!」


部長と同じツッコミをするから、思わず笑ってしまった。

そこから順を追って本庄さんのことを話し、一番の問題点に差し掛かる。


「で、本庄さんを牽制するために、部長が……私と結婚してるって嘘を大々的に宣言されまして……」

「はぁぁ~~!?」


目が飛び出そうなほどまん丸にして、叫び声を上げるふみか。

予想通りの大きなリアクションが返ってきた。周りのお客さんも、店員さんもびっくりしている……お騒がせしてすみません。


「なにそのマンガ的な展開!?」

「私も放心状態だったよ……」


対する私はローテンションで脱力する。

とりあえず、ここのお店自慢のオムライスを二種類頼み、興奮するふみかを落ち着かせてから、ついさっきの部長とのやり取りを話した。

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