イケメン部長と（仮）新婚ライフ!?

はっ……そうか。もしかしたら一連のことは、あの時の仕返しっていう可能性も……!?


「新手の嫌がらせかも……」

「まぁ、ブラック上司って言われてる人ならやりかねないかもね」


青ざめる私は、軽く笑いながら口にされたふみかの言葉で、さらに意気消沈した。


「でもさ、結構お似合いだと思うよ？」


基本、部長を推してくる彼女に、私は脱力しきったまま返す。


「どこが」

「なんとなく、息が合ってるっていうか。部長が一葉のこと引き抜きに来た時のやり取りもいい感じだったし」


そう言われ、どんなことしてたっけ？と、スプーンを動かす手を止めて記憶を遡らせる。

私に辞令を下すため、部長が購買部に来た時。あの時は、彼があまりにも強引に異動の話をするから、押し問答みたいになって……。


『待ってください！』

『待てない。すぐにお前が欲しいんだ』

『そんな、急すぎます！』

『俺は前から考えてた』


なんて言い合いをオフィスの中で始めてしまって、これ以上うるさくなる前に会議室に連れていかれて、詳しい話をしたのだった。

……ってこれ、今思い返すと、異動の話だと知らない人にはあらぬ誤解を与えてしまうのでは？