イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
私も少しムッとしてしまう。田沼部長の気持ちもわからなくはないけど、営業部の皆だって接待だけやっているわけじゃないのだから。
取引先に話を合わせて、もてなし、時には頭を下げる。それは決してラクなことではないし、誰にでもできることではないと思う。
なんだか八つ当たりしているような小言を言い続けるタヌキ部長に、イラッとしていたその時。
ダンッ!と音がして、皆一様に肩を跳ねさせた。一気に静まり返る中、デスクに両手をついた坂本部長が、ゆっくり腰を上げる。
「そのお言葉、“営業は会社の金で酒が飲めていいな”って愚痴を言ってるようにしか聞こえませんね、俺には」
立ち上がりながら、彼は氷のように冷たい声色で言い放った。
ギクリとした様子で口をつぐむ田沼部長に向き直り、落ち着いた声で話し続ける。
「あなたが文句を言いたいのは受注に対してですか? それとも、俺に対して? おそらく後者でしょうけど、俺は何を言われようと、自分のやり方を変える気はありませんよ。申し訳ありませんが」
少し身体を前のめりにして、身長百六十センチくらいの田沼部長の顔を覗き込み、彼は口元にだけ不敵な笑みを浮かべた。
「こうして文句を言いに来る暇があったら、荷物積んだ方がいいんじゃないですか。忙しいんでしょう?」
取引先に話を合わせて、もてなし、時には頭を下げる。それは決してラクなことではないし、誰にでもできることではないと思う。
なんだか八つ当たりしているような小言を言い続けるタヌキ部長に、イラッとしていたその時。
ダンッ!と音がして、皆一様に肩を跳ねさせた。一気に静まり返る中、デスクに両手をついた坂本部長が、ゆっくり腰を上げる。
「そのお言葉、“営業は会社の金で酒が飲めていいな”って愚痴を言ってるようにしか聞こえませんね、俺には」
立ち上がりながら、彼は氷のように冷たい声色で言い放った。
ギクリとした様子で口をつぐむ田沼部長に向き直り、落ち着いた声で話し続ける。
「あなたが文句を言いたいのは受注に対してですか? それとも、俺に対して? おそらく後者でしょうけど、俺は何を言われようと、自分のやり方を変える気はありませんよ。申し訳ありませんが」
少し身体を前のめりにして、身長百六十センチくらいの田沼部長の顔を覗き込み、彼は口元にだけ不敵な笑みを浮かべた。
「こうして文句を言いに来る暇があったら、荷物積んだ方がいいんじゃないですか。忙しいんでしょう?」