イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
お得意の嫌味をさらっと言ってのける部長様……彼に怖いモノはないのでしょうか。
皆もやっぱり部長に恐れをなしているけれど、視線は営業部を敵に回すような発言をした田沼部長に向けられている。それに気付いた彼は、悔しそうに唇を噛む。
「っ……とにかく、今後は急な受注は控えてくれ!」
そう吐き捨てると、田沼部長はどしどしと足音を鳴らして、オフィスから出ていった。
嵐が過ぎ去り、ほっと胸を撫で下ろす私達。冷ややかな目で田沼部長を見送った部長は、気だるげに首を回して、何事もなかったかのように仕事を再開した。
「……びっくりした」
思わず本音をぼそっと呟く私だけど、中谷さんは慣れた様子。
「ごくたまにだけどあるのよ、他部署の人が怒鳴り込んでくること」
「それは、だいたい部長が原因で?」
ストレートに尋ねてみると、中谷さんは苦笑を漏らしつつ、「ちょっと強引なところがあるからねぇ」と言って、詳しく教えてくれる。
「たとえば今回の件。普段は購買部の方に発注するものだけど、急な時は営業に直接連絡してくる取引先も少なくないの。そういう場合、部長は必ずと言っていいほど引き受けちゃうから、皆大変なのよね」
なるほど……。彼がブラック上司と言われる所以は、こういうところからなのかもしれない。
皆もやっぱり部長に恐れをなしているけれど、視線は営業部を敵に回すような発言をした田沼部長に向けられている。それに気付いた彼は、悔しそうに唇を噛む。
「っ……とにかく、今後は急な受注は控えてくれ!」
そう吐き捨てると、田沼部長はどしどしと足音を鳴らして、オフィスから出ていった。
嵐が過ぎ去り、ほっと胸を撫で下ろす私達。冷ややかな目で田沼部長を見送った部長は、気だるげに首を回して、何事もなかったかのように仕事を再開した。
「……びっくりした」
思わず本音をぼそっと呟く私だけど、中谷さんは慣れた様子。
「ごくたまにだけどあるのよ、他部署の人が怒鳴り込んでくること」
「それは、だいたい部長が原因で?」
ストレートに尋ねてみると、中谷さんは苦笑を漏らしつつ、「ちょっと強引なところがあるからねぇ」と言って、詳しく教えてくれる。
「たとえば今回の件。普段は購買部の方に発注するものだけど、急な時は営業に直接連絡してくる取引先も少なくないの。そういう場合、部長は必ずと言っていいほど引き受けちゃうから、皆大変なのよね」
なるほど……。彼がブラック上司と言われる所以は、こういうところからなのかもしれない。