イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
倉庫の一角にある配送部の事務所にバッグを置かせてもらい、今日は偶然にもパンツスタイルでよかったと思いながら、品物を確認した。
部長は配送部の人間かと思うほどテキパキと動いていて、本当にすごい。
まだ残っていた田沼部長も倉庫の奥から顔を出し、彼の姿を見付けると動揺を隠せない様子だったけれど。何も言わなくても意思疎通ができたらしく、田沼部長も部下に指示をして、手分けして荷物を運んでいた。
そうして、すべての準備が整ったのは七時半頃。久々にこんなに残業をしたけれど、私は達成感に満ちている。
田沼部長も、ぎこちなかったけれど、素直に「ありがとう」と私達にお礼を言ってくれて、ちょっぴり心がほっこりした。
バッグを持って事務所を出ると、ビジネスバッグを手にした坂本部長が待ち構えていた。私を待っていたのかは定かではないけれど。
「お疲れ」
わずかに笑みを見せる彼は、残業後だというのに疲れを感じさせない。私も笑顔で「お疲れ様でした」と頭を下げる。
そして、部長も私と一緒に歩き出す。やっぱり待っていてくれたのかな。
些細な心遣いが嬉しくて、自然と口元が緩んだ。
駐車場の方に向かって並んで歩きながら、部長は柔らかい口調でこんなことを言ってくれる。