イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
「一葉が手伝ってくれたおかげで、思ったより早く終わったよ。ありがとな」
「いっ、いえ!」
おっと……突然の呼び捨てにドキッとしてしまった。
会議室で話した時以来だから、当然慣れていない。けれど、部長の方はすごくナチュラルで、なんだか本当に親しい間柄になったみたいだ。
「お前は電車通勤だったか?」
ちょっぴり動揺する私に、部長が腕時計に目を落としながら問い掛けた。もしかして、時間を気にしてくれているのだろうか。
「あ、はい。ラッシュは過ぎてるはずなんで、ちょうどいいです」
「そうか。でも今日は──」
部長が何か言葉を続けようとした時、私達の右手にある、オフィスが入っている棟の出入口から社員が出てきた。その人物は、私達に気付いてぱっと目を開く。
「あ、お疲れ様ですー!」
ぺこりと頭を下げるのは、私達と同じ営業部の早乙女(さおとめ)くん。私と同期で、異動する前からお互い顔見知りだった。
少しクセのあるダークブラウンの髪に、ハーフのような顔立ちの彼。その甘いマスクと人懐っこい性格から女性社員の人気も高く、仕事にも真面目で期待のエースなのだと中谷さんから聞いている。
「早乙女も遅くまでご苦労さん」と返す部長に、彼はにこりと笑みを向ける。そして、私と部長を交互に見ると、無邪気にこう言った。
「いっ、いえ!」
おっと……突然の呼び捨てにドキッとしてしまった。
会議室で話した時以来だから、当然慣れていない。けれど、部長の方はすごくナチュラルで、なんだか本当に親しい間柄になったみたいだ。
「お前は電車通勤だったか?」
ちょっぴり動揺する私に、部長が腕時計に目を落としながら問い掛けた。もしかして、時間を気にしてくれているのだろうか。
「あ、はい。ラッシュは過ぎてるはずなんで、ちょうどいいです」
「そうか。でも今日は──」
部長が何か言葉を続けようとした時、私達の右手にある、オフィスが入っている棟の出入口から社員が出てきた。その人物は、私達に気付いてぱっと目を開く。
「あ、お疲れ様ですー!」
ぺこりと頭を下げるのは、私達と同じ営業部の早乙女(さおとめ)くん。私と同期で、異動する前からお互い顔見知りだった。
少しクセのあるダークブラウンの髪に、ハーフのような顔立ちの彼。その甘いマスクと人懐っこい性格から女性社員の人気も高く、仕事にも真面目で期待のエースなのだと中谷さんから聞いている。
「早乙女も遅くまでご苦労さん」と返す部長に、彼はにこりと笑みを向ける。そして、私と部長を交互に見ると、無邪気にこう言った。