イケメン部長と(仮)新婚ライフ!?
慌てて首を横に振った。
たしかに溺愛されるのは理想だけど、まだそれを答えなきゃいけないような質問はされていないですから!
私達のやり取りを見ていた早乙女くんは、クスッと笑みをこぼした。
「羨ましいな。僕も早く結婚したいです」
本音なのか建て前なのか微妙な一言を発し、「じゃあ、お疲れ様でした」と頭を下げて、彼は歩き出した。私も反射的に軽く頭を下げて彼を見送る。
先に帰ってくれたことに安堵した……のもつかの間。すぐに新たな問題に気付いた。
早乙女くんは駐車場を横切って、駅の方へ向かっていく。
そういえば、彼も電車通勤だっけ? だとしたら、駅でばったり遭遇、なんてことになりかねない。
少し時間を遅らせて帰るしかないか……と考えていると、私の腕がぐいっと引っ張られた。
「何ボケッとしてんだ。俺達も早く帰るぞ」
「えっ?」
ぽかんとする私をよそに、部長は駐車場へと向かう。そこにある、黒光りする乗用車にキーを向けてロックを解除すると、助手席のドアを開けた。
まさか、ここへ乗れと!?
驚きを隠せず、車の横で目をまん丸にする私。
「一緒に帰るっていうのは、建て前だったんじゃ……!?」
「最初から送ってくつもりだったけど?」
ドアの上部に片手を掛け、小首をかしげて当然のように言う部長様は、ブラック上司の欠けらもない。
たしかに溺愛されるのは理想だけど、まだそれを答えなきゃいけないような質問はされていないですから!
私達のやり取りを見ていた早乙女くんは、クスッと笑みをこぼした。
「羨ましいな。僕も早く結婚したいです」
本音なのか建て前なのか微妙な一言を発し、「じゃあ、お疲れ様でした」と頭を下げて、彼は歩き出した。私も反射的に軽く頭を下げて彼を見送る。
先に帰ってくれたことに安堵した……のもつかの間。すぐに新たな問題に気付いた。
早乙女くんは駐車場を横切って、駅の方へ向かっていく。
そういえば、彼も電車通勤だっけ? だとしたら、駅でばったり遭遇、なんてことになりかねない。
少し時間を遅らせて帰るしかないか……と考えていると、私の腕がぐいっと引っ張られた。
「何ボケッとしてんだ。俺達も早く帰るぞ」
「えっ?」
ぽかんとする私をよそに、部長は駐車場へと向かう。そこにある、黒光りする乗用車にキーを向けてロックを解除すると、助手席のドアを開けた。
まさか、ここへ乗れと!?
驚きを隠せず、車の横で目をまん丸にする私。
「一緒に帰るっていうのは、建て前だったんじゃ……!?」
「最初から送ってくつもりだったけど?」
ドアの上部に片手を掛け、小首をかしげて当然のように言う部長様は、ブラック上司の欠けらもない。