貴方が好きです。


体育祭の後片付けが終わった後、さすがに部活は休みなので帰ろうと思った時。

あ…そう言えば、昨日部室に筆箱忘れてた…

明日朝一で取りに来るのも嫌なので、今日取りに行っておこう、と部室に足を運んだ。





「あれ、七瀬先輩…?」

「ん?あれ、龍之介くん、どうしたの?」





部室に入るとそこには七瀬先輩が居た。

何か、前にもこんな事があったような気がする。




「どうしたんですか。」

「いやぁ、今日部活休みだし、この機会に部室掃除しておこうと思って!
マネージャーあたし一人になってから掃除出来てなかったから。」





体育祭で疲れてるはずだし、その後は片付けをするのに色々走り回ってたのに

何で先輩は元気なんだ…。

俺は少々呆れながら、





「俺も手伝いますよ。」

「えっ⁉︎いい!いいよ!龍之介くん疲れてるでしょ?」

「それは七瀬先輩も一緒ですよね。」






俺がそう言うと気まずそうに、あーそれは…そうだね、と力なく笑った。

その後に小さい声で、じゃぁお願いしようかな、と言ったので

俺も部室の掃除を始めた。


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