貴方が好きです。
「これ、ここでいいですか?」
「うん、そこに置いておいてー!」
掃除をすると言っても俺は基本的に力仕事とか
七瀬先輩の指示に従っているだけだった。
「あ、そう言えば、龍之介くん何の用事だったの?」
「あー、筆箱忘れてたのを取りに来ただけです。」
「筆箱?…ふふっ、やっぱり龍之介くんって真面目だね。」
そう言いながら口に手を当てながら笑う先輩は可愛くて、
きっと先輩の事を好きだと思ってる人は
この表情を独り占めにしたいと思うんだろうな、と柄にもなく思った。
「真面目…じゃないですよ。」
「えー?龍之介くんは真面目だよ?」
「どこがですか。」
先輩は俺の事をそんな風に思ってたんだと思った。
どこも真面目な所なんてないのに。
そんな事に考えていると、先輩は少し顔を赤く染めながら俺に言った。