貴方が好きです。


「ほら、サッカーに一生懸命な所とか!」

「それはサッカーが好きなだけですよ。」

「それに、ほら…皆あたしの事、百合さんとか百合先輩って呼ぶけど
龍之介くんだけ七瀬先輩って呼ぶでしょ?」






その言葉を聞いて、後片付けをしている時の部長との会話を思い出した。

ー「で、とうとう七瀬そいつにブチ切れたんだよ。」

もしかして、実は七瀬先輩嫌だったのかもしれない。

今、1年生は俺以外と2年生の先輩全員

七瀬先輩の事を、百合さんか百合先輩って呼んでいる。

実は内心怒っていたのかもしれない…






「あー、えっと、下の名前で呼ばれるの嫌なんですよね…」

「え?何で?」

「部長から聞きました…ブチ切れたって…」

「えっ、佐伯くんそんな事話したの?」






知られたくなかったのか、先輩は小声で、何で話しちゃうかなぁ、とぶつぶつぼやいていた。



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