貴方が好きです。


「すいません、嫌なら1年にだけなら上の名前で呼ぶように言っておきますよ。」

「え?あー、大丈夫大丈夫!
別に呼び捨てじゃなければ良いの!」

「そんなに嫌なんですか?」

「え、龍之介くん嫌じゃない?
特別な人以外に呼び捨てにされるの。」

「んー、特には。」

「あーそうだよねー、男の子はあんまり気にしないか!」






先輩は、そりゃそうだよねー、と独り言を言いながら掃除を続ける。

男だから…気にしないのだろうか…

そんな事を悶々と考えていると、






「龍之介くんになら、名前で呼ばれてもいいよ?」





先輩は掃除の手を止めて、

俺を真っ直ぐに見て言った。


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