貴方が好きです。
その時、先輩の手に触れた時…
ー--カランカラン
七瀬先輩が急に手からボトルを離してしまった為
洗ったばかりのボトルを地面に落としてしまった。
「すみません…これ、洗い直しますね。」
そう言い、俺は洗い直したが、
七瀬先輩は俯いていて返事をしない。
どうしたんだろうと声を掛けようと思った時、
「龍之介くん、この間の体育倉庫の事覚えてる?」
「え…?ああ、はい。」
真剣な表情で俺の事をジッと見ながら聞いてくる先輩。
もしかして、俺が誰かに言ったとか心配をしていたんだろうか。
「あの事なら誰にもー」
「あの時言われた事、本当なの。」
「…?」
「その、サッカー部に好きな人がいる…て話…」
そう言いながら、さっきまで俺の事を真っ直ぐ見ていた先輩は
恥ずかしそうに目線を反らした。