貴方が好きです。
振り返るとそこには、
ずっと会いたくて仕方がなかった、七瀬先輩がいた。
俺と目が合った七瀬先輩は、にこりと微笑んで、
「卒業、おめでとう。」
「え…あ、ありがとう…ございます…」
戸惑いながら返事をすると七瀬先輩は
驚いた?、と意地悪な微笑みを浮かべながら俺に問いかけた。
「何で…」
「卒業式、出席してたの。」
「そうだったんですか…」
確かにこの高校は卒業生は出席が出来る。
でもまさか、七瀬先輩が出席しているなんて思ってもいなかった。
何ていうか今は、喜びより驚きの方が大きい。
「久しぶりだね、元気だった?」
「…はい。先輩は…?」
「んー、まぁ、それなりに?」
相変わらず笑顔は可愛くて、
少し疑問系でごまかしているがそれも気にならない。