Savior-社長は救世主-ⅱ
雛ちゃんは小さいなりに
何かを感じ、それを行動に起こした
まさか雛ちゃんが
そんな事をしてくれたなんて
夢にも思わなくて
嬉しさで、涙が出てきた
「澪ちゃんは、我が家の一員だから。また絢斗と喧嘩したらウチにおいで」
斗真さんが私の頬の涙を拭おうとしたら
兄貴、と低い声が飛んできた
私に伸ばした手…の反対の手に
社長はフォークを立てていた
「澪に触れるな」
…えっと、
それは、嫉妬ですか?
斗真さんは、ハイハイ、と笑いながら
立ち上がり私達の席からいなくなった
『斗真さんはお兄さんですよ?』
「…わかってる…けど」
『…?けど?』
そう聞くがなかなか答えてくれない
まぁいいや、と思っていたら
嫌なんだ、と社長が呟く
「澪が俺以外の男に触れられるの…」
なんと嬉しい言葉…だが
その言葉、貴方にそのままお返ししますよ?と言いそうになる
今日だけは…見逃そう、かな。