Savior-社長は救世主-ⅱ


ゔっ…、苦手だ
社長を名前で呼ぶのは
未だ抵抗があり、恥ずかしい



『…あ…ぁ…。…あや…と』



だーっ!恥ずかしい!
クスクスと社長に笑われて
なんだか虐められているみたいだ


「俺の両親は手土産とか、そういうの必要ないから大丈夫。それより澪に会わせろって親父が煩くてね。だから今日は顔を見せるだけ、また日を改めて食事をしたらいい。だから大丈夫」


…そう言うけど、違うでしょ
そう思うけど、もう何も言えない

社長はエンジンを止め車を降りた
私も降りようとしたら
社長がドアを開けてくれて
手を差し伸べてくれた


あまりにも驚きすぎて
何も言えないでいたら


「大丈夫、澪は俺の隣にいて。俺から離れないで…ずっと」


そう言いながら私の指にキスをする
なんだかお姫様になった気分だ

離れない…という意味を込めて
社長の手を握り返した
< 103 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop