Savior-社長は救世主-ⅱ
ゔっ…、苦手だ
社長を名前で呼ぶのは
未だ抵抗があり、恥ずかしい
『…あ…ぁ…。…あや…と』
だーっ!恥ずかしい!
クスクスと社長に笑われて
なんだか虐められているみたいだ
「俺の両親は手土産とか、そういうの必要ないから大丈夫。それより澪に会わせろって親父が煩くてね。だから今日は顔を見せるだけ、また日を改めて食事をしたらいい。だから大丈夫」
…そう言うけど、違うでしょ
そう思うけど、もう何も言えない
社長はエンジンを止め車を降りた
私も降りようとしたら
社長がドアを開けてくれて
手を差し伸べてくれた
あまりにも驚きすぎて
何も言えないでいたら
「大丈夫、澪は俺の隣にいて。俺から離れないで…ずっと」
そう言いながら私の指にキスをする
なんだかお姫様になった気分だ
離れない…という意味を込めて
社長の手を握り返した