Savior-社長は救世主-ⅱ
社長に連れられて奥へ進む
外から見るより
意外と中はシンプルで分かりやすい
一つ一つの部屋が広い
けど、部屋数が多いわけでは無さそうだ
これなら迷子にはならなさそう
少しホッとしていたら
社長がドアをノックした
「なんだ」
ぶっきらぼうな返事が返ってきて
少しビクッとしてしまった
「絢斗。澪を連れてきたよ」
そう言うと、部屋の中で
バタンゴトンと大きな音を立てていた
何事かと不安になるかわ
隣で社長はクスクス笑っている
「入れ」
社長がドアを開けると
その部屋は壁一面が本棚になっていた
社長と一緒に部屋に入る
本棚には難しい本もあれば
話題になった本、ベストセラーの本
そして、なぜか不釣り合いな漫画本も
「親父、澪だよ」
その声に本棚を悠長に眺めていた私は
背筋を伸ばし、社長のお父さんを見た
「こんばんは、初めまして」