Savior-社長は救世主-ⅱ
『ねぇ、絢斗。いつまであの女の匂いが付いている服…着ているの?』
抱きついたからだろうか?
スーツに匂いが移ったのか
香水の匂いが離れていてもわかる
「ご、ごめん」
絢斗は焦ったのか
その場でスーツ、ワイシャツ、ネクタイを脱ぎ始めた
あっという間に白いシャツと下着と靴下姿
なんとま哀れな姿だ
私は立ち上がり、絢斗の周りを嗅ぎまわった
『シャツも…なんだか靴下も香水臭い』
絢斗はまた慌ててごめん、と
シャツも靴下も脱いでしまった
そして今は下着姿だ
恥ずかしい気持ちはないのだろうか
絢斗は香水の匂いがしないな
自分の身体の匂いを嗅いでいる
『身体に染み付いたかしら』
それがトドメだったのだろう
絢斗の肩はガックリと下がってしまった