Savior-社長は救世主-ⅱ
「澪さん、まつ毛が頬に…」
そう言って、幹が澪の頬に触れた
……、
「はい、取れました」
『ありがとう』
そんな2人を見ていたら、
その視線を遮るように優が入ってきた
「社長、そろそろ出掛ける時間ですよ」
……行きたくない、なんて言えない
けど、けど…
澪と幹が2人っきりになるだろう
万が一の事があれば…
はあ、と優のため息が聞こえた
さすがに優を怒らせるわけにはいかない
仕方なく立ち上がり、鞄をもつ
『行ってくる』
澪と幹の行ってらっしゃい、と元気な声が聞こえた
優は車を回すため先に行ってしまった
事務所を出て、エレベーターを待つ
澪のため、
だから俺は我慢だ
こんなちっぽけなヤキモチ
澪のためなら、我慢できる