Savior-社長は救世主-ⅱ
結婚式前夜
時計の針がもう少しで12を指そうとしている時刻
部屋の中は静かだ
撮り溜めしたドラマを見終わり
今は紅茶を飲みながら
旅行雑誌を見ている
時折、玄関の方を見ながら…
家主である絢斗はまだ帰ってきていない
明日が結婚式だというのにだ
今日はいつもお世話になっている同業の社長さん達や、取引先の皆さんが
毎祝いとして、場を設けてくれてわけだ
レストランを貸し切り
それには私も参加した
が、私はそのレストランで終わり
あとは男同士で行く店へ…
別にそんなところへ行っても
私は嫉妬しないし
お付き合いは大事だから
どうぞ、と快く背中を押した
だが、明日は結婚式だ
なるべつ早く帰ると言っていた
帰れないだろう、と予想はしていたが
まさかベロベロになるまで呑まされているのかと、不安にもなる
そして、今日は優さんもいない
絢斗は一人で参加している