Savior-社長は救世主-ⅱ
連絡してみようかと
スマホを手にするが
数秒にらめっこをし、やめた
なんか、嫌だ
仕事の付き合いで出ている彼に
いつ帰ってくるの?なんて
連絡するなんて
どれだけ心が狭いんだよ、と
明日があるから先に寝よう、
そう思い、カップを洗いにキッチンへ向かう
カップを洗い終わったタイミングで
インターホンが鳴った
絢斗?
いや、絢斗はインターホンを鳴らさない
私を起こさぬよう
静かに帰ってくるのだ
モニターを覗けば
絢斗が眠っている姿が映っていた
『絢斗?』
「夜分遅くすみません。うちの社長が神谷社長にお酒を勧め過ぎてしまいました」
絢斗は誰かの肩を借りている
どのくらい飲まされたのだろう
今開けます、とオートロックを解除し
部屋着の上にカーディガンを羽織い
玄関へ向かった