Savior-社長は救世主-ⅱ
社長の運転で会場入りをした
…胃が痛いです
ぞろぞろとドレスアップをした人達
そして、次々に社長に近寄り挨拶をしていく
社長は当たり障りがない挨拶をし
そちらの方は?と聞かれた時だけ
「婚約者の澪です」と答えていた
余計なことをしないように
私は軽く会釈をする程度
緊張のあまり、うまく笑えていないだろう
社長の腕に回している手が
鉛のように思えてしまう
「絢斗」
後ろの方から呼ばれ振り向くと斗真さんだ
「親父たちは?」
「あー、また安西先生に捕まっているんじゃないか?……それにしても、澪ちゃんっ、見違えるねぇ」
和かに私を見る斗真さん
いやらしくはないが、なんだか裸を見られているようで恥ずかしい
兄貴っ、とイラついている社長