Savior-社長は救世主-ⅱ
京都の花、
それがなでしこ
綺麗なピンクの花びら
その花言葉は純愛…
『京花さんにピッタリなお名前です』
たまたまなのか
今着ているドレスもピンク
京花さんは頬を赤らめながら
ありがとう、と言ってくれた
初対面の方に出過ぎた真似をしたのではないかと少し後悔したが
京花さんは、またねと言って
化粧室から出て行った
笑顔で手を振ってくれたから
大丈夫だろうと思っていた所
バックの中から何やら振動音がした
スマホか、と画面を見てみれば
なかなか帰ってこない私を見心配した
社長からの連絡だ
やばい、と思い慌てて化粧室を出た
こっそり会場へ戻ろうとした時
「絢斗」という声にわたしは立ち止まった
絢斗というのは社長のこと?
呼んだのは…若い女性だ
私は会場への扉のノブから手を離し
声のする方へ向かった