Savior-社長は救世主-ⅱ
【ごめんなさい、体調が悪くて先に帰ります。タクシーで帰りますので大丈夫です】
メールを送ってから2時間後
社長は帰宅した
「澪、ごめんね。慣れない所に連れて行ったから疲れたんだろう?」
ベットで眠っている私に
頭を撫ぜ、労わるようにいう言葉が
今は…辛い
「おやすみ」
私の頭にキスをし、
社長は寝室から出て行った
『…っ、うっ……うっ……』
慣れない環境に
何一つ出来なかった
社長の隣にただいただけのお人形
社長のご両親にも挨拶一つ出来ず
自分の感情だけで会場を後にした
大人として…、社長の婚約者として
絶対あってはならないことだ
妻として、嫁として失格だ
そんな私を誰が許すんだ?
私より…、私より
あの人の方が、社長にはお似合いだ