Savior-社長は救世主-ⅱ
『おはようございます、コーヒー置いておきます』
「…ああ」
ピリピリ…ではない
けど、やはり気まずい雰囲気だ
今日はデクスワークのため
社長と優さんは事務所にいる
「澪ちゃん、コレなんだけどさー」
優さんに呼ばれ、そちらに行こうとした時、社長のスマホが鳴った
社長が声を発する前に
スマホから女性の声が聞こえた
「絢斗?」
その声は、まさしくあの時の女性の声だ
やはり親しい関係なんだろうか、
「澪ちゃん?」
『あ、ごめんなさい。優さん』
急いで優さんの所へ向かった
キャリアからきた変更事項の確認を二人でしていたら、社長が立ち上がった
「ちょっと出てくる、遅くなるから閉めていいから」
そう言って行ってしまった
もしかして…あの女の人に会いに行くの?
「澪ちゃん、大丈夫?」
顔色が悪いよ?
心配してくれる優さんの言葉は
私の耳には入ってこなかった