Savior-社長は救世主-ⅱ
マンションを出て5日が経っている
その間、社長には会っていない
仕事にも行っていない
優さんに有給休暇を申請した
一度も使ったことがない有給休暇
優さんは私に理由を尋ねたが
私は言わなかった
そして、休暇中は連絡をしないで欲しいと伝えたが、流石にそれはダメだった
だから用事がある時だけ
社長には内緒で連絡をして欲しいと…
「やっぱり、絢斗と話そう」
流石に不味いと思ったのか
優さんは慌てたように言うが
私は首を縦には振らなかった
『私は逃げてばかりです。和也からも、社長からも…。向き合う勇気も自信も無いんです…社長にサヨナラを言われるのが怖いんです』
優さんは私を呼び止めてくれたけど
私は振り返らなかった
「澪さん、お茶にしましょう」
『はーい、今行きます』
声のするテラスの方へ足を向けた