Savior-社長は救世主-ⅱ
「澪を送り出して、3時間くらい経ったくらいに、絢斗が訪ねてきたの」
藍さんはあの日のことを話してくれた
あの後、社長が血相変えて
藍さんに私の事を訪ねてきたこと、
私に連絡しようとしたら
優さんに止められたこと…
「私、優に嚙みついちゃった。どうして澪を止められなかったの?って…」
違うんだよ、藍さん
優さんは何度も私を説得してくれたの
けど、その言葉すら
信じることができなかった
「絢斗が大事に思っているのは澪ちゃんだけなんだ」
じゃ、あの人は誰?
あんな大勢の人がいるパーティーで
抱き合ったりする?
恋人のように腕を組んで
街中を歩いたりする?
私は絶対しない…ぜったい。
「澪、あんたは何を見たの?何か言われたの?正直に答えなさい」
いつもよりキツイ言い方
だけど、私の手を取り優しく包んでくれる藍さんの温かい手