Savior-社長は救世主-ⅱ
もうダメだ
藍さんにだけは迷惑かけたくなくて…
けど結局迷惑かけてる
嗚咽が酷くて、まともな言葉じゃない
それでも藍さんは、うんうんって
頷いて聞いてくれる
時折、言葉を詰まらせては
藍さんが私の背中を撫ぜてくれ
大丈夫、ゆっくりでいいのよ、と
優しくほぐしてくれる
ああ、なんで馬鹿なんだろう
こんなことなら
初めから藍さんの所に居ればよかった
ハヤカワマヒロさんの事を話し終わった私は解放感なのか、安心感なのか
止まらない涙
藍さんが差し出してくれた
タオルハンカチも、濡れている
「頑張った、よく耐えた!」
そう言って背中をさする藍さんは
でもね、と言葉を続けた
「それを絢斗にぶつけないと意味がない」
「でも、澪以上に絢斗が悪い」
どんな状況でも、私を不安にさせた社長に非があるという藍さんの目は
やはり怒り狂っている