Savior-社長は救世主-ⅱ
久しぶりに目にした社長は
少し痩せたように見える
優さん同様、走ってきたのか
社長も汗だくだ
「澪っ!」
社長の声にビクッとしてしまう
何を言われるか、わからない
もしかしたら、
別れようと言われるかもしれない
そう思っていたら、
予期せぬ所から引っ張られた
「絢斗、澪には触れさせない」
私をかばうように
藍さんが私の前に立つ
「なんなんだよ、俺がどれだけ澪を探していたかわかるだろっ!藍ちゃんには関係ないだろっ!」
絢斗、ここ病院だからと
立ち上がった優さんは
社長を宥めながら、開きっぱなしだったドアを閉めた
「関係ない?じゃあ、澪の顔見て…これでも私は澪を放っておけっていうの?」
社長が私の顔を見る
先程は突然な事でよく見ていなかったのかもしれない
社長の顔が苦しそうに見える